薬の知識
1. 薬について
糖尿病の薬
- 注射薬
- 肝臓を刺激してインスリン分泌を促す(インスリン分泌促進系):1型使用不可
- GLP-1受容体作動薬
- インスリンそのもの
- インスリン
- 肝臓を刺激してインスリン分泌を促す(インスリン分泌促進系):1型使用不可
- 飲み薬
- 肝臓を刺激してインスリン分泌を促す(インスリン分泌促進系):1型使用不可
- スルフォニル尿素(SU)薬
- 速効型インスリン分泌促進薬
- DPP-4阻害薬
- インスリンの効きを良くする(インスリン抵抗性改善系):1型使用不可
- ビグアナイド(BG)薬
- チアゾリジン薬
- ブドウ糖の吸収や排せつを調節する(糖吸収・排せつ調整系)
- α-グルコシダーゼ阻害薬
- SGLT2阻害薬
- 肝臓を刺激してインスリン分泌を促す(インスリン分泌促進系):1型使用不可
- 注射薬
ナノパスニードル33G販売中止
針名称 | 太さ | 値段/本 |
---|---|---|
マイクロファインプラス31G | 0.25mm × 5mm | 15円 |
ナノパスニードル33G | 0.2mm × 5mm | 18円 |
ナノパスニードルⅡ34G | 0.18mm × 4mm | 18円 |
現在、インスリンにはジェネリック医薬品はない。
近い将来、インスリンのジェネリック医薬品に相当する「バイオミラー製剤」が発売される。(2014年10月に認可済み)
生物製剤は全く同じことを証明するのが難しいのでバイオミラー製剤と言う。バイオシミラー
バイオシミラーは特許が切れてから、同じものではなく、品質及び効果が同様で安全性を示せるものを販売するもの。
バイオシミラーは先行薬品に比べ試験期間が短くなるので免疫原生などの心配はある。- バイオシミラーは先行薬品の7割以下の値段
- ジェネリック
ジェネリックは特許が切れた後、有効成分が同じ薬を別会社が販売するもの。- ジェネリックは先行薬品の6割以下の値段
2. インシュリン服用について
注射製剤インシュリンの特性を最大限に活かすためには、
- 使い始めて一ヶ月以内である
- 直射日光や熱風が当たる場所においてはいけない
- いつも同じ所に注射しない(注射する部位が固くなっていないこと)
- インシュリン注射を短時間で済まさないこと(液が完全に出るまで10秒程度待つ)
- 食事量に合わせてインシュリン量を変える
- 御飯の量を見てからインシュリンを打つ
インシュリンは37度以上で成分が変化して元に戻らなくなる
インシュリンは卵と同じようにタンパク質で出来ていて、卵に熱を加えると白身と黄身が固まるように、タンパク質に熱を加えることで変化してもとに戻らない。
変化したインシュリンは効果が下がる。
熱変化しても見た目変わらないことがある、打っても血糖値が下がらない場合は疑うべき。基本は冷蔵庫に保存すること。
外出時は保冷剤などで冷やすこと、海水浴場でビーチパラソルの下に置いておいたら熱変化した事例あり。車の中は暑くなるので当然置いてはダメ。服薬が守れない人の特徴
- 男性
- 働き盛りの世代
- 服薬回数1日3回
- 薬剤数過多
- 打ったかどうか忘れたとき
とりあえず半分だけ打つ。そして飴とインシュリンを持ち歩いて、血糖値低くなれば食べるし、血糖値高いなら更に打つ。
3. 注射方法
- インスリン注射が同じ個所に集中しないためには、前回打った場所から指2本ずつずらすのが良い。(サイトローテーション)
場所を変えているとみんな思っているが、行ったり来たりで結局は同じようなところになっている。
3-4回後で同じようなところに行くのはだめ。おなかを15回くらいで一周する感じが良さそう。
注射を同じ場所に繰り返すと、真皮と皮下脂肪組織との境界が無くなる。
4. 血糖測定器
血糖測定の誤差
- 血糖自己測定器の誤差
ISO15197にで、血糖値に対して100mg/dL未満で±15mg/dL、100mg/dL以上では±15%以内に、95%の測定結果が入らなければならないと決められている。
→ 実際の血糖値が100の場合、85~115の測定値が出る可能性があるということ - 臨床検査(病院で腕から血液を採って行う検査)
血糖値のばらつきは±2.3%程度である(2016年度日本臨床検査技師会臨床検査精度管理調査でのA評価基準)
→ 実際の血糖値が100の場合、97~103の測定値が出る可能性があるということ - 病院で測るのは精度いい
- 血糖自己測定器の誤差
インスリンの保管と血糖自己測定
インスリン製剤の開封後の使用期限 4~8週間
測定器が正常に血糖値を測れるのは約10~40度(機械で前後する)血糖自己測定器は、高地では平地と比べて40%程度のばらつきが発生する。
血糖自己測定器は、手に果汁や手荒れケアのハンドクリームが付いてると、血糖値が3倍近く高く測定される事もある。
5. 海外旅行
海外旅行で飛行機を利用するが、機内にお薬を持ち込めるか?
訪問する国によって違うが、原則持ち込める。
手荷物検査で係員に言うと良い。
預入荷物ではなく、海外旅行では機内に手荷物としてインスリンを持ち込むこと。 預け入れ荷物にすると、注射液が凍ってしまい成分が有効ではなくなってしまう。 (空の上は-50度程度なので) また、トラブルで荷物が届かないこともある。 機内への液体持ち込みは制限のある可能性があるので、航空会社の情報を確認すること。空港で保安検査対象になったときに、検査をスムーズにするために糖尿病連携手帳や英文カード(Disbetic Data Book)があるとよい。
飛行機内で注射が打てるか?
飛行機の機内で打つのは前後にGが掛かって結構苦労する。
新幹線なら駅で止まった時を狙う。
6. 医療費
2016年度 診療報酬改定
医療費は「診療報酬」(1点=10円)で計算され、1~3割を自己負担する。
医療報酬は2年に1回改定されるが、今回は改定量が多い。
特に影響がありそうなのが在住自己注射指導管理料の見直しですね。
在住自己注射指導管理料は月何回注射するかで以下の通り値段が変わります。改定前
月3回以下 100点
月4回以上 190点
月8回以上 290点
月28回以上 810点改定後
月27回以下 650点
月28回以上 750点
インスリン自己注射は殆ど月28回以上だから60点安くなります。
他は薬の値段が1.22%安くなるとのこと。